グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



HOME >  リハビリ >  教えて! 回復期リハ5 FIM利得・FIM効率・実績指数

教えて! 回復期リハ5 FIM利得・FIM効率・実績指数


FIM利得・FIM効率・実績指数

前回、回復期リハ病棟でリハビリを行うと、高い確率で在宅復帰できることをご説明しました。
では、どんな方が、どの程度回復するのでしょうか?シリーズの第3回でもご紹介したFIMを使ってご説明しましょう。


FIMは、運動項目13項目、認知項目5項目の、合計18項目からなるリハビリ業界独特の評価なのですが、
今後は看護分野にもADLや認知機能を表す指標として導入されていくことになります。

前回もご説明した回復期リハ病棟の平均的患者像ですが、FIMで表すと、どのようになるのでしょうか?
どのくらい良くなったのかは、退院時のFIMと入院時のFIMの差で表現されます。これを、FIM利得と言います。


FIM利得(距離) = 退院時FIM – 入院時FIM


リハビリのスタート(入院)からゴール(退院)まで、どのくらいの距離か(改善したか)、というイメージですね。
これに対して、どのくらい素早く改善させたか、という目安もあります。それが、FIM効率です。


FIM効率(速さ) = FIM利得(距離) ÷ 在院日数(入院期間)(時間)



先程、FIM利得を距離に例えてお話ししましたが、そのFIM利得を時間で割るのですから、
「距離÷時間=速さ」となるわけです。つまり、FIM効率は 回復の「速さ」を表しているのですね。

では、改善が速ければそれでよいのか、というと、そうではありません。

特に多くの施設間でリハビリの良し悪しを判断しようとするなら、公平な基準が必要です。
入院期間は患者さんによってバラバラですから、もしリハビリ入院可能な最長期間まで入院していたら…、
で比較するとよいのではないでしょうか。

ちょっとややこしくなりますが、計算式にすると…、

何だかややこしいですね。ポイントは2つ。
まずは、FIMの運動項目しか計算対象にならないこと、です。
そしてもう1つは、分母の部分、です。

例えば、運動器疾患で30日で退院した患者さんであれば上限日数は90日ですから、
分子の値を3倍する、というイメージです。

つまり短期間で患者さんを改善させた方が、実績指数は高い値になるわけです。
FIM効率と同じように、実績指数にも 速さの概念が盛り込まれているわけですね。

急性期病院であれば、DPC(包括医療費支払い制度)のように入院期間をなるべく短縮するための仕組みがあります。
回復期リハ病棟では、実績指数を使うことで、リハビリの回復にスピード感を持たせているわけですね。

早期から集中的にリハビリを行う回復期リハはの効果は、やはり発症から早期である方が効果があります。
患者さんのためにも、医療者が患者さんの回復のスピードを意識するのは大切なことなのかもしれません。 

次回は、回復期リハ病棟でリハビリをすると、患者さんは何が、どの程度回復するのか、ご説明します。