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みんなで考える ポリファーマシー 1


ポリファーマシーって、なに?

ポリファーマシーって、ご存知でしょうか?
「ポリファーマシー」とは、「多くの」という意味をもつ接頭語の「Poly」と「Pharmacy」 という
2つの言葉を組み合わせて作られた言葉
であり、直訳すると「多くの調剤・薬局」などと訳せるでしょうか。

転じて「多くの薬剤の併用によっておこる副作用や有害事象」を表す言葉です。
患者さんに薬を処方する医師である筆者自身も どうにかしたい、と思っています。

筆者は老人科・老年病科、要するに高齢者の内科を専門としていますが、
内服薬が多くなりがちな高齢者に対する診療科だけあって、
研修医時代からポリファーマシーに対して関心が高い方かもしれません。

筆者はこれまで、「杉山医師の 薬剤師に伝えたい医師のトリセツ」(m3.com)でも
ポリファーマシ-について連載させていただきましたが、当サイト用に改めて原稿を整理して、
皆さんといっしょに考えていきたいと思います。

King of ポリファーマシー
筆者がこれまで遭遇した最多薬剤数は、勤務していた大学病院に搬送された70代の高齢患者さんの
定期処方52錠/日(カプセルや細粒などの剤型によらずすべて錠で記載)。

しかも、服用している患者さんのことを考えているのか!?と疑いたくなる、
1日8回内服(毎食前後と起床時・就寝時の計8回内服)。

そのうち約40錠が、1つのクリニックから処方されていました。
今から10年以上前の話ですが、8回に分けているとはいえ、これほど多くの薬剤を内服しなくてはいけないとは…。

というか、1日に8回も内服しなくてはならないなんて、認知機能がしっかりしている方でも
内服を忘れてしまいそうな量を、よくも処方できるなぁ…、と呆れてしまったほど。

ここまでくると「治療」ではなくもはや「虐待」とも思えてしまいます。
なぜ、患者さんの内服薬は増えてしまうのでしょうか?

なぜ、内服薬は増えてしまうのか?・・・筆者の考える「ポリファーマシーの原因」
ポリファーマシーの原因として、筆者の考えを述べると…
・疾患や症状の多さ:患者さんの抱えている病気や訴える症状が多いと、クスリは増えてしまう
・受診先の多さ:専門ごとに受診先が異なるため、それぞれの医師がそれぞれの観点で処方をする
・薬効の反する薬剤:下剤と整腸剤など、薬効の相反する薬剤が併用されている
・薬剤による疾患・症状の生産:薬剤の副作用や飲み合わせによる相乗効果によって、新たな疾患や症状が生まれ、更に薬剤が増える
・薬剤の多さ:薬剤の数が増えるほど、副作用の発生率も増えてしまう可能性が…
・エビデンスの多さ:診療領域によっては、豊富なエビデンスゆえに内服しなくてはならない薬剤が増えてしまう
・エビデンスの少なさ:有効と思われていた薬剤が、実は無効・効果が乏しい、というエビデンスが少ない
・処方を見直す医師の努力不足:内服薬が多さに対する医師の関心の低さ
・内服薬・処方薬が多いほど収益が増える薬局の収益構造:処方薬が増えれば儲かる仕組み
・自身の内服薬に対する 患者さん自身の関心の低さ:「自分の健康は、自分で守る」という意識の低さ
 …etc.
ポリファーマシーの原因は多岐にわたると思いますが、普段から医療者は、
どのような視点でこの問題に対処していくべきでしょうか。

次回は、内服薬を減らすコツについて解説したいと思います。