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頭の中までお見通し? 頭部CT/MRI/MRA


頭部の画像検査について学んでいきます。
代表的なものとしては、頭部CT検査・頭部MRI検査・MRA検査がありますが、
それぞれ、どんな検査なのでしょうか。簡単に言うと…、

頭部CT放射線を使って行う検査→頭部では 「脳出血」見つけるのに適している
・頭部MRI :磁気を使って行う検査→頭部では 「脳梗塞」や「脳の萎縮」 を見つけるのに適している
・頭部MRA:磁気を使って行う検査→頭部では 「脳血管の走行」を見るのに適している

頭部CT

頭部MRI(拡散強調画像)

頭部MRA

画像は、ほぼ同時刻に撮影した頭部CT・MRI・MRAの比較。

骨折後のリハビリテーションで入院中の80代女性。
四肢麻痺も呂律不良もなかったが、やや傾眠傾向あり。
拡散強調画像では、発症早期の脳梗塞でも描出が可能となっている。
普段から身近で患者さんを診ているスタッフの気づきが診断につながった一例。

ここに並べた3枚の画像は、全て同一症例(80代女性)の、ほぼ同一時刻の頭部画像です。
この症例には粗大な麻痺がなく、スタッフからの
「いつもより活気がない、意識レベルが少し低下している気がする」
という報告に基づいて撮影したものです。

実は受け答えも可能で、また手足の麻痺やしびれ、左右差、更には自覚症状も全くありませんでした。
私としては、「脳梗塞ではないことの確認」の目的で撮影しましたが、
まさか本当に脳梗塞を起こしていたとは…。

脳梗塞病変を見つけるには、複数ある頭部MRI画像の描出方法の中でも
「拡散強調画像(=ディフュージョン)」が最適です。

ほぼ同時刻に撮ったCT検査では何の所見も写っていなくても、
〇 で示す通り、頭部MRI(拡散強調画像)では病変がくっきり!
これなら誰にでも分かりますよね。

では、頭部CTは、有用性が低いのでしょうか?
そうではありません。上記の通り、頭部CT検査は脳出血を見つけるには最適です。

またMRIの撮影時間が数十分かかるのに対し、CTではわずか数秒程度
ですから救急の現場で頭部の疾患を疑った場合には、頭部CT、
更に必要なら頭部MRIという流れになることも多いと思います。

最後にMRA検査ですが、これはMRIの検査と併せて撮影が可能な検査で、
脳血管を描出するのに適しています。
画面をスクロールして脳血管画像を色々な角度から見ることが可能で、
脳動脈瘤や、脳梗塞で閉塞した血管を探すのに役立ちます。

最後に基本中のキホンですが、頭部のCTやMRIも、「左右が逆」に写ります。
「ひだりが右で みぎが左」ですので気を付けてくださいね。
上記の画像で言うと、脳梗塞は脳梗塞でも、「みぎの脳梗塞」です。