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管理栄養士が教える「高齢者への食支援」 4


自宅で調理をする場合:「主食編」 その2

これまで、食支援について総論的なお話をしてきましたが、今回からはいよいよ各論的というか、
実践的に「退院後の食事作り」についてお話ししたいと思います。
まずは、「主食」のお話からです。
主食である米、パンは、食べる方の摂食嚥下機能によっては、
「お粥」・「ミキサー粥」・「パン粥」など、ひと手間かけて作る必要があります。
主食は毎日、いや毎食食べるものですから、簡単に作れるのが一番ですよね。
ぜひ、どんなものがあって、どうやって作るのかを知っていただけたらと思います。
今回は、「ミキサー粥」・「パン粥」をご紹介します。

簡単な「ミキサー粥」の作り方
ミキサー粥とは、病院や施設では嚥下に配慮すべき方に提供しているものです。
口腔内に食物をため込む時間が長い方や、嚥下の力が弱く、
嚥下をしても喉に残ってしまいやすい方に適しています。
施設により作り方に違いがあるのですが、当院で提供しているミキサー粥の作り方をご紹介します。
熱々のお粥と お粥の重量の1~2%のゲル化剤を一緒に、
粒がなくなるまでミキサーにかけ、器にあけて少し冷まします。
すると、やわらかいゼリー状の「ミキサー粥」が完成します。
なめらかでつるんとした喉越しに仕上がります。
ゲル化剤は粉状で、流動状のものを固形化するもので、インターネットで購入できます。
ミキサー粥を作るうえでのポイントは、「粥の温度」と「粥のゲル化剤の計量」です。
粥の温度は70℃以上のアツアツの状態が適しています。
ゲル化剤は、100gのお粥に対して 1~2gを混ぜるとよいでしょう。
少し面倒ですが、このコツさえ守れば、
安定した質の良いミキサー粥が完成しますので、ぜひ参考になさってください。

簡単な「パン粥」の作り方

パン粥とは、ちぎったパンと牛乳で作ります。
パン粥も病院や施設で嚥下に配慮すべき方に提供しているものです。
こちらも当院で提供しているパン粥の作り方を紹介します。
たんぱく質やカルシウムが摂れるのも魅力ですし、甘みもあって食べやすいという方も多くいます。
ココアパウダーやインスタントコーヒーを混ぜてアレンジしたり、ジャムをのせて食べてもおいしいです。

1. お鍋で作る
食パンの耳をはずして、一口大くらいにちぎってお鍋に入れ、
牛乳をひたひたにかぶるくらいになるまで注ぎ、パンにしみこませてから、
中火にかけ泡だて器で混ぜながら加熱します。なめらかになったらできあがりです。

2. 電子レンジで作る
食パンの耳をはずして、一口大くらいにちぎって耐熱容器に入れ、
牛乳をひたひたにかぶるくらいになるまで注ぎ、パンにしみこませてから、
600ワットで2分間加熱します。
熱々のうちに泡だて器でなめらかになるまで混ぜてできあがりです。

どちらの方法でも、食パンの耳をはずさずに作ることはできますが、やや不均質な仕上がりになります。
食べる方の嚥下機能によって、調整してください。
泡だて器は、1人分を作る場合であれば 長さ13㎝くらいの小さいものが使いやすくておすすめです。
100円ショップでもネットでも手に入りますよ。

主食は大切なエネルギー源です。
シンプルな味なだけに簡単においしく作る方法を身につけると、
作る側と食べる側双方にとって長く続けていきやすくなると思います。

次回は「おかず」の作り方についてお話していきます。