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もう怖くない! インスリン2


そのインスリン、いつ効くの? 〇〇でしょ!

インスリンを投与したらは、いつ効果を発揮するのでしょうか。
すぐに効果がでる速効型や超即効型では、30分以内に血糖を下げることができます。

しかし本来なら血糖が高くならないように、計画的に血糖をコントロール(定時打ち)するのが望ましいですよね。
では、昼の食前血糖を低下させる必要がある場合、インスリンを いつ 投与すべきでしょうか?
答えは、朝、ですね。例を挙げて説明してみましょう。


〇月×日        朝食前 昼食前 夕食前 就眠前

 血糖値(mg/dl)  102  255  187  207


この場合、スライディングスケールであれば、血糖値が高い昼にインスリンを投与しますよね。
では計画的に、定時打ちで血糖を調整する場合はどうなるでしょうか?
昼の血糖が高い原因は、朝食後に分泌されるインスリンだけでは インスリンが不足しているから、なのです。
だから定時打ちであれば、朝食後に血糖が上昇しないように朝のインスリン不足を補う必要があるのです。
つまり・・・

定時打ちで高血糖を改善させたい場合、高血糖の1つ前のタイミングのインスリンを調整する


ですから、上記の例を使って説明すると、

スライディングスケール    ↓

定時打ち       
〇月 ×日        朝食前 昼食前 夕食前 就眠前

   血糖値(mg/dl)  102  255  187  207


投与するタイミングの違いが一目瞭然ですよね。
血糖が100程度の方にインスリンを投与するのには抵抗があると思います。

しかしむしろ、その慎重な姿勢は大切だと思います。では、どの程度投与するべきでしょうか?
前回もお知らせしたように、非常におおまかな目安として、インスリン2単位投与で血糖は50mg/dl低下するのでしたね。

昼の血糖を100mg/dlにしたいのであれば、だいたい150mg/dl程度血糖を下げる必要があり、
速効型・超速効型を6単位!…、と行きたいところですが、
慎重に4単位、または更に慎重に2単位から投与してみるのもいいと思います。

血糖コントロールでは、いきなり100点満点の血糖コントロールを目指さないことも大切でしたね。
少量のインスリンを投与して、数日間血糖の推移をみて、そしてまた調整する。
これなら低血糖の心配は少ないのではないでしょうか。

そして朝のインスリン投与によって昼の血糖が改善し、昼の血糖が改善することで夕の血糖も変化する…。
速効型・超速効型であっても、例えば朝に投与してみると、昼だけでなく、夕の血糖も影響を受けます。
また血糖の推移には個人差があり、長く糖尿病を患っている患者さんほど、血糖コントロールは不安定になるものです。

ゆっくり、慎重に増量していけば、血糖は徐々に下がってきます。
もちろん重度の糖尿病や、ケトアシドーシスを伴うような場合には、専門家による治療が望ましいと思いますので、
他書を参考になさってください。


次回は、実際にインスリンを投与すると、血糖がどのように変化するのかを学んでいきましょう。