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脳神経内科専門医が教える パーキンソン病8 「デバイス(機械)」を使った治療


デバイスを用いた治療法(DAT)

さて、パーキンソン病についてお伝えしてきた本シリーズも、今回が最終回となります。
今回のテーマは、デバイスを用いた治療法(DAT)です。
L-ドーパやドパミンアゴニストを中心とした治療に、多くの併用によって
治療を継続していくわけですが、薬剤の服用だけでは治療が困難になったとき、
頼りになるのがデバイスを用いた治療法(DAT)なのです。

DATを導入すべきタイミング
DATを導入すべきタイミングとしては、「5 times、2hours, and/or 1 hour」と言われており、
「服薬が1日5回以上、ウェアリングオフ現象が2時間以上、
コントロールが難しいジスキネジアが1時間以上 続く」
といったタイミングが目安と言われています。
DATには、胃瘻を増設して内服薬を持続的に投与する
「レボドパ/カルビドパ配合剤持続経腸療法(LCIG)」
脳を電気的に刺激して治療する「脳深部刺激療法(DBS)」などがあります。
レボドパ/カルビドパ配合剤持続経腸療法(LCIG)
パーキンソン病の長期経過例では、L-ドーパを こまめに服用するため、1日に何度も内服薬を服用しなくてはならない場合もあります。また服用に伴ってウェアリングオフ現象やジスキネジアに苦しむことになるため、内服薬が持続的に、少量ずつ投与することができれば、問題を解決できます。そんな場合に適しているのが、このLCIGです。LCIGは、胃瘻を使って直接薬剤を小腸内に注入する方法ことで、安定した薬物濃度を保つことが可能となります。この治療を行うには、パーキンソン病を専門とする医師の慎重な判断が必要になります。

脳深部刺激療法(DBS)
脳深部刺激療法は、脳内に挿入した電極を使って 脳の奥にある「視床下核」、または「淡蒼球内節」というところを 電気的に刺激することで、パーキンソン病の症状を改善させる治療法です。電気刺激は、心臓のペースメーカーと似た機械を用いて行い、機械はもちろん、刺激に使用する配線も体内に埋め込むことが可能なため、外見上も目立ちにくいという利点もあります。最近ではMRI検査を用いて、以前よりも正確に脳内に電極を挿入することができるようになっています。LCIGと同様、内服による治療が困難となった場合の治療法で、パーキンソン病を専門とする医師の慎重な判断が必要になるだけでなく、特殊な治療ゆえに 手術できる医療機関も限られています。

ドパミンアゴニストのメリット・デメリット

脳神経内科専門医が教える パーキンソン病7