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HOME >  認知症・パーキンソン病 >  そこが知りたい、認知症 2 認知症の画像検査 ( アルツハイマー型認知症を例に )

そこが知りたい、認知症 2 認知症の画像検査 ( アルツハイマー型認知症を例に )


認知症を始めとして、認知機能低下を疑う場合、どんな検査があるでしょうか。
代表的な検査として有名なのは、MMSE(Mini Mental State Examination)や
HDS-R(長谷川式認知評価スケール)などがあります。

世界的にはMMSEが標準的で、HDS-Rを使うのは日本だけであり、国内でもMMSEが中心となってきています。
しかし本当に認知機能低下を評価しようと思った時に重要なのが、頭部の画像検査です。


様々な認知機能検査がある中で、一般的なのは頭部MRI検査と脳血流シンチグラムの組み合わせです。

簡単に説明をしてみますと…

頭部MRI検査:脳の形態変化前では診断が難しい
組織の形態的変化や脳腫瘍の有無などを見るのに適している。
認知症で特徴的な脳萎縮が、どの部位で、どの程度 起こっているのか、
更に脳血管障害や脳腫瘍の合併を確認するために用いる。
ただし早期の認知症では、形態的変化から認知症を診断するのは難しい場合もある。

脳血流シンチグラム(またはSPECT):脳の形態変化前でも診断が可能
脳血流の低下を検出するのに役立つ。放射線同位元素という特殊な薬剤を注射してから画像検査を行うことで、
その薬剤の分布から血流の多少を判断する。
脳萎縮が起こる以前に見られる 脳血流の低下をみることができる。

頭部MRI検査の「水平断」画像
で示した部分が「海馬」

頭部MRI検査の「冠状断」画像。左が正常、右はアルツハイマー型認知症の症例。
で示した部分が「海馬」。アルツハイマー型認知症では、海馬が萎縮しているのが分かる。

脳血流シンチグラムの画像 模式図にあるように、患者の脳を左横から見ているように処理した画像。
アルツハイマー型認知症では、後部帯状回・楔前部(せつぜんぶ)=の血流低下が特徴的。
頭蓋骨の中での位置関係が分かりやすいように、右の図にもを記入しておいた。
右の図内に描かれた海馬の位置とは かけはなれた楔前部の血流低下が診断の決め手となる。